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民藝の100年展

立春です。

本日は、自宅を設計していただいた小田さん(小田宗治建築設計事務所代表)と東京国立近代美術館「民藝の100年展」へ行きました。

なぜ、民藝?

それは、昨年出版された集英社新書「『利他』とは何か」の若松英輔の文章に触発されたからです。(すみません、その理由は肝心なところですが、ぜひ同書をご覧ください)

戦前の民藝運動はすごかったですね。展示の中で一番印象に残ったのは雑誌『工芸』装丁でした。

全国から収集された工芸品は、紙や竹、木などが主役。プラスチックなどのない世界がつい最近まであったとは、もはや想像できません。

左のハガキはミュージアムショップで購入した民藝とは関係ありません

 

なぜ、組織で仕事をするのか?

「なぜ、組織で仕事をするの?」

自力で稼ぐことができれば、わざわざ組織で仕事をしなくてもよい。

それができない場合に組織(企業)で働くのだ。どちらが良いということではない。

 

「では、個人と組織の違いは何だろう?」

個人は、全知全能ではない。

個人ひとりの力で生きていく自給自足は不可能だ。

 

「個人が組織で働くメリットはどこにあるの?」

・組織で他人と協働することで、個人ひとりの能力(自分できること)の限界を超えられる。

・分業、専門化の進んだ組織は、個人ひとりですべてをやるよりも能率が良い。

これらを享受できる可能性があるのだ。

 

現在、日本国では参加する組織(企業)を個人で選ぶことができる。

たまには振り返ってみることも必要だ。

 

稟議制度は、ありますか?

以下、浅井論文*1)から引用

稟議制度とは、「業務の執行について経営上重要な事項が,組織体の下部(下層から中間の管理層)によって立案され,関係者を経て上部機関によって決裁される制度であり,文書(稟議書,起案書)の回覧によって各関係者の承認,決裁が行われる制度」とされる。

他方、近代組織論においては,意思決定すべき問題の領域を細分化し,それぞれの領域の専門家に限られた範囲の意思決定問題を割り当てることが、組織における意思決定の階層的な分業である(Simon1997)。

しかし、日本の「稟議制度」は、意思決定の範囲ではなく,意思決定の 4 つの段階,①課題の設定,②選択肢の探索,③選択肢の選択,④選択結果の再検討(Simon 1977)を階層間で分業する構造となっている。 そこで、浅井は2つの仮説を立てている。

仮説1 「稟議制度」は参加による上方への情報伝達手段であるとともに、意思決定プロセスの分業構造により、階層が低い職員に現有する職務能力を超える経験を与える OJT の役割を果たしているという稟議制度の人材育成の機能を果たしている。

仮説2 「稟議制度」による人材育成は、長期雇用や職務権限の規定、評価制度といった人事諸制度との整合性により一つのシステムとして機能している

*1)浅井 希和子(2017)「従業員の組織の意思決定への参加がマネジメント人材の育成に与える影響 : 稟議制度の機能についての一考察 (統一論題 グローバル化と労使関係)」 日本労務学会全国大会研究報告集 / 日本労務学会 編 47:2017 p.222-229

昭和の頃、日本型意思決定制度のネガティブな特徴として「稟議制度」は大いに議論されていたようだ。でも最近は話題になっていなかった。面白い仮説だ。しかし、稟議制度は現存しているのだろうか?変容してるとしたらそれは大変興味深い。

 

正月元日

立春に最も近い新月の日が旧暦正月の元日となります。何を始めるにも今日はよい日になりましょう。

本年BRHは、平成を終え、令和の時代における日本の企業内”マネジメント”を再編集することで、新しい研修プログラムを提供を開始します。

新任管理者研修を受講して以来、研修機会がほとんどない管理者が多く存在しています。

そこで、課長向け、部長向けの2つのライン長向け研修プロラムはもとより、新しく担当職、専門職などライン長ではないプロフェッショナル管理者向けの研修プログラムを用意しました。

それぞれの管理者がなすべき役割、必要な知識、スキルについて体系的に学ぶことをねらいとしています。

詳細→ 3つの管理職研修

 

リモートワーク推進

完全リモートワークの実施で話題になったDOWANGOの夏野さんの講演をお聞きしました。

私はちょうど1年前、DOWANGOの人事責任者にお会いしましたが、まさにリモート移行の準備をされていました。

講演タイトル「“全社員在宅勤務”に成功したDX先進企業が見据える
アフターコロナの働き方」

以下、ご講演の大まかな内容。

20年2月に突然の出社禁止を出した後、準備期間を経て20年7月から恒久的なリモートワークへ移行した。

自宅の技術的環境を整え、電気代の手当はもちろん、毎日管理職から不満を吸い上げることでそれらに対応した。

会社フロアーに固定席が不要な人はアンケートで8割。フロアー改革をして不要者には月2万円の手当を支給。中管理職は以前はできないと言っていたが、つながり感の維持の工夫をすることで慣れてきた。

要らなくなった通勤時間を、家族や自分の時間に使える。副業、兼務の推奨。自分の力を自分で気づく機会になるはずだ。社内では1人2役を進め、1つの仕事ではなく自分の知見を活かすことを始めた。

マネジメントは、テクノロジーを全面導入し、システム(人事の内規、権限)のなどを刷新した。時間管理ではなくアウトプット管理へ。

日本は、3次産業・サービス業のデジタル革命が進まず、生産性は欧米諸国に比してずっと低い。歴史的には2次から3次、3次から次へと進むべきところだが、産業再編が進んでいない。

経営者は、日本の3種の神器である高い個人資産、高い労働意欲、テクノロジーを活かし、過去とは異なるイノベーションを起こすか、後ローバルへ展開するか、両方かいずれかをやれねばならない。

役員会のメンバーを見ても同質の人(年齢性別・・)では駄目だ。経営はハイリスクハイリターン、過去の成功をもとにした調整型ではなく、甘えを断った決断型であるべき。すでに多様性のもとで全員の合意形成は不可能だ。

以上。

中国赴任のお供に

4月は中国へ赴任される方の多い時期です・・・。ということで、宣伝です。

当社パートナー田中信彦(2018)『スッキリ中国論 スジの日本、量の中国』(日経BP社)は赴任者に<一押し>の1冊です。

以下、日経BP社メールで配信されたPR文を転載します。

●日経BP Mail:(発信:日経BP社)
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「日本人と中国人の間には誤解が多い。
お互いが相違点を理解し、一緒に仕事をすれば必ずWin-Winの関係になる。
本書は、そのためにとても役立つ」
ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長  柳井正氏、絶賛!!

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「スッキリ中国論  スジの日本、量の中国」
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■仕事が出来なくても自己評価が異様に高い
■ちゃんと調べず、しかも話を盛りまくる
■小銭を借りてもすぐ忘れ、返してくれない
■食べ終わっていない皿を無言で下げられた

それ、なんで? 「スジが通らない!」と日本人をイラつかせる中国人の行動。
その理由が、ロジカルに“スッキリ”わかります!

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  主な内容と目次
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中国が好きでも嫌いでも、中国人が好きでも嫌いでも、それはどちらでもかまわない
大事なのは、向き合う覚悟を決めるか、自らの弱さに負けて目を逸らすかだ。
真正面から向き合うために必要なのは、ムダな誤解を避けること。
中国人がものを判断し、反応する時の「クセ」「反応の相場」と、
それらが中国社会のどのような仕組みから生まれてきたのかをお伝えしたい。
中国人や中国社会の判断基準の根底にある行動原理のようなものを、
具体的かつロジカルに明らかにできれば、と思う。
それだけで日本人が感じるストレスはかなり軽減するはずだ――(著者より)

【第1章】 「スジ」に沿う日本、「量」で考える中国
・日本人が中国人からストレスを感じる理由
・小銭を返さない中国人は、何を考えているのか?
・列に割り込む中国人は、怒られたらどうするか?
・中国人の話に日本人がついていけないのはなぜか
・犯罪の重さも「量」で考える中国
・「日本人は買わない客にも丁寧!」と驚く中国人
・「大会社は太っ腹であるべき」と中国人は考える
・「社会をよくすること」は統治者の仕事

【第2章】 「スジ」と「量」の特性はこう表れる
・「仕組み」が苦手な中国、得意な日本
・リーンな日本、ファットな中国
・稼ぐなら「投資」の中国、「仕事」の日本
・中国人は「先払い」、日本人は「後払い」

【第3章】 「量」の中国人が会社で考えていること
・あっさり会社を辞める理由
・まず「どこなら高く売れるか」と考える
・景徳鎮にみる「蓄積を生まない働き方」
・ファットな仕組みで働くことの弱み

【第4章】 「量」の世界は毎日が闘い
・「面子」は「量の勝負」と読み替える
・ほとんどの人が負ける競争社会・中国
・単一の価値観が「個」の自立を阻む
・競争に疲れた人々が逃げ込む先は
・「中国的救援」と「日本的救援」

【第5章】 「スジ」の民、日本人の生きる道
・中国は「スジ」の価値を理解し始めた
・「量」の中国で「スジ」を通せるか?
・スジの「美学」をコントロールせよ

【第6章】 「量」の社会にスマホがもたらした“革命”
・スマホは中国社会をどんどん変える
・「ヒマな人」をいきなり活用するサービス登場
・「量の社会」の弱点をスマホが補う未来
・シェア自転車の急失速から考える「スジ」と「量」

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  書籍概要
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「スッキリ中国論  スジの日本、量の中国」
田中 信彦 著
発売日:2018年10月22日
定価:本体1,500円+税
ISBN:978-4-296-10046-0
四六判、352ページ
発行:日経BP社
発売:日経BPマーケティング

茶話会第1回終了

昨夕、田中信彦オンライン茶話会第1回を実施しました。

IT技術を活用し加速する様々な取り組みにより、人民の幸福感、安全感を持続的に増強している中国。そのことで、人民を結果的にうまく治めているようにみえる中国。

今回は、生体情報の民間企業における扱いについての裁判事例などについての田中から報告がなされ、『治理』をキーワードとしながら話題が展開されました。

初めての試みでしたが引き続き開催していきたいと思います。

次回は、

第2回 中国の餃子とシウマイ、肉まんなどについて

   2021年4月22日(木)17:00-18:30

 → 詳細

このテーマからどんな話題は繰り出すか、どうぞ楽しみにしていてください。お気軽にご参加ください。