ブログ/BRHジャーナル
  • 「なぜ、組織で仕事をするの?」

    自力で稼ぐことができれば、わざわざ組織で仕事をしなくてもよい。

    それができない場合に組織(企業)で働くのだ。どちらが良いということではない。

     

    「では、個人と組織の違いは何だろう?」

    個人は、全知全能ではない。

    個人ひとりの力で生きていく自給自足は不可能だ。

     

    「個人が組織で働くメリットはどこにあるの?」

    ・組織で他人と協働することで、個人ひとりの能力(自分できること)の限界を超えられる。

    ・分業、専門化の進んだ組織は、個人ひとりですべてをやるよりも能率が良い。

    これらを享受できる可能性があるのだ。

     

    現在、日本国では参加する組織(企業)を個人で選ぶことができる。

    たまには振り返ってみることも必要だ。

     

  • 以下、浅井論文*1)から引用

    稟議制度とは、「業務の執行について経営上重要な事項が,組織体の下部(下層から中間の管理層)によって立案され,関係者を経て上部機関によって決裁される制度であり,文書(稟議書,起案書)の回覧によって各関係者の承認,決裁が行われる制度」とされる。

    他方、近代組織論においては,意思決定すべき問題の領域を細分化し,それぞれの領域の専門家に限られた範囲の意思決定問題を割り当てることが、組織における意思決定の階層的な分業である(Simon1997)。

    しかし、日本の「稟議制度」は、意思決定の範囲ではなく,意思決定の 4 つの段階,①課題の設定,②選択肢の探索,③選択肢の選択,④選択結果の再検討(Simon 1977)を階層間で分業する構造となっている。 そこで、浅井は2つの仮説を立てている。

    仮説1 「稟議制度」は参加による上方への情報伝達手段であるとともに、意思決定プロセスの分業構造により、階層が低い職員に現有する職務能力を超える経験を与える OJT の役割を果たしているという稟議制度の人材育成の機能を果たしている。

    仮説2 「稟議制度」による人材育成は、長期雇用や職務権限の規定、評価制度といった人事諸制度との整合性により一つのシステムとして機能している

    *1)浅井 希和子(2017)「従業員の組織の意思決定への参加がマネジメント人材の育成に与える影響 : 稟議制度の機能についての一考察 (統一論題 グローバル化と労使関係)」 日本労務学会全国大会研究報告集 / 日本労務学会 編 47:2017 p.222-229

    昭和の頃、日本型意思決定制度のネガティブな特徴として「稟議制度」は大いに議論されていたようだ。でも最近は話題になっていなかった。面白い仮説だ。しかし、稟議制度は現存しているのだろうか?変容してるとしたらそれは大変興味深い。

     

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