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  • 厚生労働省の「能力開発基本調査」の結果が報じられた。

    https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00105.html

    企業を問わず十分な能力開発の経費も投資も十分には行われていないという結果となりました。しかも、それはこの10年間大きく変化していない。

    平成3年のコロナ禍における調査のわりには、調査項目の数値があまり低くなっていないのは、周囲の実感と乖離しているようにも思える。

    この調査の踏み込みが甘いところは、

    ①「能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるとする事業所は76.4%となり、4分の3以上の事業所で能力開発や人材育成に関する問題がある」としながら、②問題のある事業所に、その問題点の内訳を尋ねる質問にある。

    結果は以下の通り。

    はたして、この選択肢に回答者が選びたい問題があるのだろうか?

    言いたいことが別にあるように思えてならない。

     

     

     

  • 「知ること」にはレベルがある。

    金井、高橋(2004)『組織行動の考え方』( 10章)では、次のように述べられている。

    1)知ることとは、自分の中を通った手持ちの情報が一時的に増えること(フロー)

    2)知ることとは、自分の知識ベースに変化が起こること(ストック)

    3)知ることとは、その気になればそのことを他の人に教えることができること

    4)知ることとは、知る前と知った後で世界の見え方が変わってくること

    5)知って本当に理解することとは、自分が変わること

    6)知って身につくということは、その知識を使って怖がらずに、自分や自分が属するシステムを変えてみようとすること。

    このレベル6の論理の対偶にあたる表現は「システムを変えようとすることなしに、本当に役立つ知識は得られない」となる)

    これはアクションラーニング、組織変革、SECIモデルなどの議論につながり、最近流行りのアジャイルやデザイン思考にもあてはまる。 これは研修業界やコンサル業界の核心概念になるはずだがこの知識を身につけている人は意外に少ないのかもしれない。

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